働き方改革の取り組みが進み、新型コロナウィルス対策でテレワークが一気に浸透した日本。仕事に対する考え方が格段に柔軟になったとはいえ、「社会人=働く」は、依然として私たち日本人共通の認識と言ってよいでしょう。
そんな中、「働きたくない」と思う人も実は少なくありません。むしろ、「働きたくない」と思ったことが一度もない人の方が少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、就労移行支援を利用している人に働きたくない気持ちがなぜ起こるのか、そのよくある理由を解説します。また、働きたくない時にやることや働く意味についても考察。働きたくないと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
働きたくないという気持ちは誰にでもある心理
2019年にビジネスメディアのビズヒッツが行ったアンケート調査では、働く男女1000人のうち「働きたくないと思ったことがある」と回答した人はおよそ84%にものぼりました。
また、2005年に内閣府が15~29歳の働いていない若者に対して行ったアンケートでは、10%の人が「働かなくても良い」または「働きたくない」と回答しています。これは、金銭的な豊かさよりも楽しさを優先したいという価値観の変化を反映している結果とも考えられています。
人間には変化を避ける本能が備わっていると言われています。それは元々、自分の命の安全を維持するために必要な本能ですが、生活の様々な面でも当てはまります。現在働いていない人にとっては、現状を維持する本能によって「働きたくない」という心理が起こっていると言えるかもしれませんね。働きたくないという気持ちは決して特異な心理ではなく、どんな人にも起こりうる心理なのです。
働きたくないのはなぜ?働きたくないよくある理由5つ
就職するために就労移行支援を利用していても、働きたくない気持ちが湧いてくることがある人もいるのではないでしょうか。ここでは、働きたくないのはなぜか、そう考える理由について考えてみましょう。
働きたくないよくある理由1:体力面で不安がある
体調不良が理由で仕事を辞めた経験がある人は、体力面での不安から次の就職に踏み出せないこともあるでしょう。働きたくないというより、働きたくても働けないという心理かもしれませんね。
また、就労移行支援に毎日通うだけでも疲れてしまう人は、「就職したらもっと疲れるのではないか」という気持ちが湧いてくることも。これでは、働く意欲が起こりにくいのも無理ありませんね。
働きたくないよくある理由2:人と関わりたくない
人とのコミュニケーションが苦手で対人関係にストレスを感じやすい人は、人と関わりたくないために働きたくないと思うこともあるでしょう。
また、人間関係が原因で前の職場を辞めた人の中には、新しい職場の人間関係になじめるかが心配で「働きたくない」と感じる人もいるのではないでしょうか。
働きたくないよくある理由3:やりたい仕事がない
興味のある仕事が見つけられない人も、仕事に楽しさが感じられずに働きたくないと思うでしょう。また、「やりたいことが見つかったら働こう」と、就職を先延ばしにすることもあります。
就職してから新しい仕事をちゃんと覚えられるか、ミスしないかといった不安感も、働きたくないという気持ちに向かわせる原因のひとつかもしれませんね。
働きたくないよくある理由4:どうせ続かないと思っている
「飽きっぽい性格だから、就職してもどうせ続かない」と考えることはありませんか?働くことを最初からあきらめて、働きたくないと結論づけてしまうパターンです。
今までに職を転々とした経験のある人、それもステップアップのためではなくネガティブな気持ちで転職を繰り返した人は、転職を重ねるにつれて働く意欲も薄れてしまうことがあります。
働きたくないよくある理由5:今の生活に困っていない
実家で両親と暮らしていたりパートナーが働いていたりすると、自分がわざわざ働かなくても生活に困らない場合もありますね。そのような環境で暮らす人は、働きたくないと思うのもうなずけます。家族との関係や、家での居心地が良ければなおさらですね。
働きたくない時にやること3つ
このように、働きたくないと思う理由にはさまざまなものがあります。今の時点では働かなくても大丈夫な状況かもしれませんが、その環境がこの先もずっと続くとは限りません。今は働きたくなくても、いつかは働く日が来ると心積もりをしておいた方が良いですね。
そのために、働きたくない今、将来のために何ができるかを考えてみましょう。ここからは、働きたくない時におすすめのやることを3つご紹介します。
やること1:いろいろな職業の情報を得る
やりたい仕事がなくて働きたくない人は、いろいろな職業の情報を集めてみてはいかがでしょうか?友人に、その人の仕事について聞いてみるのも良いですね。仕事でどんな人と関わることがあるか、仕事をしていて楽しいと思うのはどんな時か、その仕事を選んだ理由など…。聞いてみるうちに、興味のある仕事が見つかるかもしれません。
また、就労移行支援では、様々な業種の企業実習を紹介しています。エナベル松戸でも、メンバーの適性を見ながら企業実習をご案内しています。働きたくない気持ちがある人は、まず実習で経験を積むことで、働く意欲のエンジンを動かしていくのもおすすめです。
やること2:働かない代わりに何をするのか考えてみる
体調が悪くてどうしても働きたくない場合は、回復を優先させてゆっくり休養しましょう。体調に問題がないものの働きたくない人は、働かない代わりに何をするのか考えてみることをおすすめします。
本や新聞を読んで見聞を広める、資格取得の勉強をする、ウォーキングやジョギングで体力をつけるといった、自分磨きは良いですね。また、旅行をして異なる文化や考え方に触れるのも良い刺激になります。
エナベル松戸では、日商簿記検定やビジネス能力検定サーティファイ、ネイリスト養成プログラムなど、ステップアップにつながる資格取得のサポートを行っています。働きたくない期間はあっても、次に働く時には今のあなたよりもきっと成長していますよ。
やること3:働きたくない自分を責めない
真面目な人ほど、「働きたくないと思うのはいけないことだ」と考えがちです。働きたくないと思うのは誰にでもあること、今は休む時だと前向きに受け入れて、自分を責めすぎないようにしてくださいね。
働きたくないと思っていることに後ろめたさを感じてしまう人は、「〇月から就職活動をする」と、働かない期間を区切ってしまうのもアイデアです。かかりつけの医師や就労移行支援のスタッフと相談して、安定した気持ちで次のスタートを切れるようにしたいですね。
エナベル松戸では、お一人お一人の意向や体調を確かめながら就労サポートを行っています。無理に就職や実習を勧めることはしておりませんので、じっくりと就職に向けて気持ちと体調を整えていきましょう。
就労移行支援で働く意味を考えてみよう
就労移行支援は、働きたくないと思いがちな人におすすめの場所と言えます。エナベル松戸では、働くうえでの基本的な心構えから学び直すことができ、ブランクが空いた人も社会人の感覚を取り戻しやすいプログラムをご用意しています。
自分を見つめ直す心理プログラムも充実し、働く意味を考えるきっかけを持つことができるのも就労移行支援ならでは。エナベル松戸を利用している方との面談で、これからどうなりたいのかを尋ねると「自立したい」「一人暮らしをしたい」といった声がよく聞かれます。これこそ、まさに働く意味ですよね。あなたは何のために働きたいのか、自分だけの理由を一緒に考えていきましょう。
働きたくないと思ったら就労移行支援に相談!
ここまで、働きたくないと思うよくある理由や、働きたくない時にやること・働く意味について考えてきました。
「働きたくない」という気持ちは、働いたことのある人もそうでない人も、多くの人が一度は感じたことのある心理と言えます。働きたくない気持ちを否定せずに受け入れつつ、就労移行支援で次のステップへ踏み出す準備をしていきましょう。