エナベル松戸の就労移行支援では、利用者全員参加で行う集団プログラムを実施しています。集団プログラムの内容は、講義や会議・実習など様々。今回は、多岐に渡る集団プログラムの中から、ブレインストーミングの手法を使った会議の様子をご紹介します。(この集団プログラムは、2019年10月に実施されました。)
- そもそもブレインストーミングとは?
- 集団プログラムでのブレインストーミングのルール
- 集団プログラムでのブレインストーミングのねらい
- ブレインストーミングで集まったアイデアの総数は…
- 集団プログラムでのブレインストーミングの効果
- 新たな発想に触れるエナベル松戸の集団プログラム!
そもそもブレインストーミングとは?
ブレインストーミングとは、アメリカの実業家アレックス・F・オズボーンが考案した会議方式です。良いアイデアを生み出す状態の解析は1941年からアメリカで始まり、1953年に書籍でこの名称が紹介されました。日本では集団発想法・課題抽出とも呼ばれ、ブレストと略されることもあります。
ブレインストーミングは、10名以下のグループで行うのが望ましいとされています。あるテーマに沿って、多様なアイデアをとにかく数多く出し合うのが大きな特徴。他人のアイデアにヒントを得たり複数のアイデアをミックスさせたりすることで、新しいアイデアが生まれるのを期待するものです。
集団プログラムでのブレインストーミングのルール
ブレインストーミングの会議は、4つのルールに基づいて行われます。自由な発想・批判しない・数を多く・発展させるの4つが一般的なブレインストーミングの基本ルールとなっています。
今回の集団プログラムでは、このルールにアレンジを加え、以下の3つのルールで会議を行いました。
- 質より量を重視する
- どんな意見でも批判しない
- 人の真似をしてもOK
集団プログラムでのブレインストーミングのねらい
今回の集団プログラムでは、ブレインストーミング方式で今後の集団プログラムの企画案を出し合いました。会議に参加したのは10名の就労移行支援のメンバーです。
今回、ブレインストーミング方式で会議を実施したのにはねらいがあります。
一つめのねらいは、参加者全員が自分の意見を述べること。たくさんの多様なアイデアを出すことが求められるブレインストーミングは、参加する人全員がひとつでもアイデアを出さないと成り立ちません。普段無口な方や自分の意見に自信を持てない方も、声を発して自分の考えを発信することを目標にしました。
二つめは、自分以外の意見を受け入れること。この会議を通して、自分の考え方だけに固執せず、他の人は別の意見を持っていることを認識するのがねらいです。
そして三つめのねらいは、自分の発想を広げることです。どんな突飛なアイデアでも、誰からも批判されないブレインストーミング。ほかの参加者からは、自分では思いもよらないアイデアが飛び出すでしょう。その発想に触発されることで、自分の新たな一面や可能性を発見できるかもしれません。
やりたいことや得意なことが分からず就職活動につまずいている人にとっては、ブレインストーミングの思考法からは大きなヒントが得られると考えています。
ブレインストーミングで集まったアイデアの総数は…
質より量をルールに、とにかくたくさんの案を出すことを目指した今回の会議。10名の参加者から出たアイデアの総数は、なんと98個にものぼりました。
今後の集団プログラムでやってみたい企画を出し合う会議でしたが、中でも多かったのはゲーム。すべての意見の3割近くをゲーム系が占める結果となりました。一口にゲームといっても、10名のアイデアが集まると実にさまざまな種類があることが分かります。
ゲーム系企画のほかには、外出系・創作系・発表系・討論系・勉強系・パーティー系・運動系と、まさにブレインストーミングならではの自由なアイデアが出されました。人と話すのが好きな方も無口な方も、楽しんで自分の考えを発表し、周囲の方も楽しんで聞いていたのが印象的でした。
次の段階は、出し合ったアイデアを整理して絞り込みます。2時間という集団プログラムの時間内で実現可能かどうか・実施する目的が妥当かをあらためて話し合いました。ブレインストーミングで頭の中が柔軟になった参加者の皆さんは、次の段階の話し合いもスムーズに意見交換していました。
集団プログラムでのブレインストーミングの効果
今回のブレインストーミング会議は、参加したメンバーに良い変化をもたらしました。就職を目指す皆さんにとってステップアップに繋がる気づきがあり、実りの多い集団プログラムとなりました。
自分の意見が受け入れられて、認められた気持ちになった
どんな意見も受け入れられるブレインストーミング。この集団プログラムは、「どうせ自分の意見は通らない…」「反対されたらどうしよう…」と心を閉ざしがちな人にとって、自分の意見に自信を持つきっかけになったようです。
勇気を出して発言してみたら、自分の意見が受け入れられた。自分と同じ考えの人が他にもいた。このような体験を通じて、意見を述べることへの恐怖心が和らぎ、積極的に考えを伝えることができるようになった人もいました。
人任せにせず、物事に主体的に取り組めるようになった
自分たちの意見を思い切り出し合ったブレインストーミング会議。自分を含めた全員が発言しないと成り立たない話し合いを通じて、人任せにすることなく自ら主体的に関わることの大切さに気づいた方も。
その結果、日々の就労移行訓練にも主体的に取り組めるようになっていきました。誰かに言われて行動を起こすよりも自分から積極的に物事に関わるほうが、良い経験になることも多いですね。
新たな発想に触れるエナベル松戸の集団プログラム!
エナベル松戸の就労移行支援では、ここで紹介したブレインストーミング会議のほかにも、多彩な内容の集団プログラムを実施しています。
エナベル松戸は今後も、就労移行支援サービスを利用する皆さんにとって力となるような集団プログラムを考えてまいります。